2009年09月15日

捜す犬 −更新のままならなかった間の成長の記録−

前回訓練の記事で久々に写真を載せられたと思っていたら、
まんまとちったが写っていなかった。


ので、遅ればせながら動いて捜すちったをご紹介。
これはだいぶ前、5月の時点で「箱」を使って捜索訓練をするちった。





本来まったく鼻だけを使って捜索をするわけだけれど、
そもそも「捜索」ってどういうことなのかを強化して刷り込む過程で、
こんな風に呼んで気を引いてから隠れてもらう練習もする。


ずいぶん手前で隠れているのにいきなり遠くまで走っているのには、

・この時風が後ろから吹いていたこと
・犬には奥から捜す習性があること

などまっとうな理由がある。


箱のずっと向こうまで行ってもその後一切呼びも誘導もしないのに
戻ってきているのが何よりの証拠。
きちんと風下で箱から出ている隠れ役さんの匂いをとって、
見つけたよ、ここだよ、と吠えに戻ってきている。
まあこの段階ではまだ「捜索」の意識づけがそれほどはっきりしていなくて、
はしゃいで草むらを走っていったという部分も
あるにはあったと思うのだけれど。


8月のお休みのちいっと前からだから7月に入った頃か、
いやそれよりもう少し前からだったかな。
指導手である私も訳の分からない間に、実はちった、上級者捜索の初歩、
みたいなことをするようになっていた。

いわゆる「広域捜索」という、ある範囲のどこに隠れているのか分からない数人を
匂いだけを頼りに探し出す、というもの。
初めは指導手が指示を出しやすいように、紐をつけたままの状態で、
それでもちったの感覚を最優先するように、ちったの後を私がついて行く形で行う。
ここでいう「指示」というのは要するに、特にまだ「人を見つける」という認識が
薄い段階で、
本当に自由にさせると何をすべきなのかを教えづらい、
途中から捜していることを忘れて遊んでしまいかねない、
それを防ぐというような意味合い。

それに指導手は、犬の微細な反応を見分ける能力を備えなくてはならない。
私なんかはまだ分からないことも多いけれど、
指導手も上級になってくると、吠える、いわゆるはっきりとここだと確定する前に、
空気に漂う隠れている人の匂いを犬が捕えた瞬間を見分けることができるし、
吠えるという動作ひとつをとっても、その中でどれくらいの近さなのか(状況によってはどこにいるのか犬は分かっていても、すぐ傍まで近寄れないこともある)とか、
どうも匂いはするのだけれど、はっきりどことは分からない、とか
違いを区分できる。


犬は漂ってくる匂いを捕えるわけだから、そういった場合には後は人間が、
建物の構造や地形、天気や気温の変化から犬がせっかく捕えている匂いの
発生源を推理して、可能な限り近づけるように誘導が必要なときも当然ある。


そういうこともいきなり犬を放して捜させると、
当然人間は犬にぴったりついて行けっこないから、
見落としてしまいがちになって、なかなか学べないことになる。
んじゃないかと思う。


それでえーちったにはまだ無理だよう、きっとヒントとかあげなきゃいけなくなると思うな、
まあそれでもがっかりしないんだだめもとで、などと
指導手にあるまじき思いを隠したり隠さなかったりしながら、
どこにいるのか見当もつかない隠れ役さんを捜索してみることになった。


結論から言うとちった、見つけられる。
私があっけにとられている目の前で、がんがん進んでわんわん吠える。
ただ当初はまだ、捜す対象ではない見学の人や、野生の動物に気を取られたり、
途中でふと集中が切れてしまうことも多かった。


それがこの間の訓練では、いつも必ず嗅いでいた、
動物の巣(野生化したフェレットがいるらしい、見たい)があると思われている辺りも
後から思い返せばまったく鼻を近づけることもなく素通りしていた。


相変わらず、「飼い主いらないな」と言われるくらい、よく成長しているちった。
が、最近になって思うのは、どうもちったは覚えが早くて、
後になっていろいろ悩み出す性質なんじゃないかってこと。
おすわりとかふせとか、果ては足の間の八の字くぐりまで、
教えれば何でもわりとすぐ覚える。
それが時間が経つにつれ、だんだん精度が落ちてくる。
こちらの出している指示を分かっていて、
そんなこといいから早くごほうびちょうだいよ、とか、
うろ覚えだからふとした拍子にこんがらがって、
「あれ、これでいいんじゃないの」と困惑する、とか、
訓練士さんからの指摘では同じ言葉でも私の発声が微妙に変化する、とか、
いろんな理由が混ざっているんだろう。

きっと苦労して苦労してやっと覚えたことなら間違えないし決して忘れないのに、
そこをすらっと通り過ぎるものだから、後になってあやふやになるんだろうな。

せっかくちったの大好きな捜索、後になってどうしたらいいのーっとならないように、
今から考えて、対策を練っていきたい。


ニックネーム こた at 18:56| Comment(2) | TrackBack(0) | 災害救助犬 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ちったくん、警察犬みたいですね!すごい。
ディアナとはもう別世界のようです。。。
ちったくんは訓練が好きなんですね。えらいなぁ・・。
ただ、ちったくんのストレスにならないようにしてあげてくださいね♪
それにしても、動くちったくんを見られて嬉しいです!
キャンキャン吠えるちったくん、ジャックらしくていいですね。
Posted by mumukau at 2009年09月16日 02:46
♪mumukauさん こんばんわ♪

ちったの心への負担まで、考えてくださって嬉しいです。
と同時に少しびっくりもしました。
○○犬、とか働く犬、もしくは私の硬い文章が
mumukauさんを心配させることになったのかなぁ。

救助犬を始める前にね、先輩に当たる人から
「好奇心旺盛で遊び好き、
思い切り吠えていいなんてぴったりじゃない?」と言われたのです。
それがどんぴしゃりで、ちったは偉いとかそんなんじゃなくて、
もともと持っている性質を生かせる道に出会えて
この上なく幸運なんだと思っています。

この声がね、隠れ役をしていると耳元で吠えるものだから、
耳をふさぎたくなるほどの音量なのですよ。
ディアナちゃんはお父さんに、もうちょっとかわいらしく
吠えていたものね。
Posted by こた at 2009年09月16日 22:24
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